「仕事を辞めたい」?
「仕事を辞めたい」「自由に働きたい」「好きなことをしたい」「働きたくない」…
このようなことを少なからず思ったことのある方は多いのではないでしょうか。
そんな時、あなたならどうしますか?
誰かに相談する?辞めるリスクを考える?宝くじでも買ってみる?
様々なリスクや手間を考え、「辞める」ことを諦める方もいるのでは。
では、もし、あなたのパートナーが「仕事を辞めたい」と伝えてきたら、あなたは何と答えますか?
その「辞めたい」がどこまで本気なのか。精神的な余裕はどの程度あるのか。
その回答に正解はなく、どう対応するのが最適なのかは、簡単にわかることではありません。
今度は、もしパートナーがある日仕事をすでに辞めていたことが発覚したら、あなたはどうしますか?
どうして相談してくれなかったの、と怒るでしょうか。
愛想を尽かしてしまうでしょうか。
何があったの、と心配するでしょうか。
相手に対する様々な感情とともに、自分自身の今後についても不安になってくるかもしれない。
でも、自分だけでぐるぐる考えていると、ネガティブな感情はどんどん大きくなってしまうもの。
パートナーと話し合い、お互いの考えていることや気持ちを共有することは必要だと思います。
相手へ理解を示しつつ、自分の不安な感情も、正直に相手に伝える機会を作ってみてください。
センシティブな話し合いになるかもしれません。
それでも、相手と相談し、お互いの考えを共有し合うことは、今後も一緒に歩んでいく二人として大切な手段です。
わんとみーの場合
Wanは大学卒業後、自身の夢を追いかける道を探していたようですが、紆余曲折あり、卒業から半年少し過ぎた頃に会社員として働きはじめました。果敢に責めていく営業で、みるみる力をつけていました。
しかし、なかなか上司と反りが合わないところもあったようで、1年ほどで転職。
転職先でも、これまでと同様、営業職としてバリバリ成績を残していたようです。
ただ、会社員が向いていないんだろうなぁと薄々感じていました。
人から指示されたことをやるのが嫌い、嫌なことをやりたくない、我慢ができない、等々…
そしてある時、なんだかおかしいな、と思ったことが数日続きました。
リモートワークなので、朝のミーティングさえなければ多少ぎりぎりに稼働してもバレないという仕事。
ですが、始業時間から1時間も2時間も過ぎて寝ていることがあり、声をかけても起きる気配がありません。本当に大丈夫なのかな?と心配していたのですが、何を聞いても「大丈夫」の一言。
ある日、話がある、とわんから言われ、二人会議を開きました。
気づいてたかもしれないけど、もう仕事辞めたんだよね
どうりで、朝起きないと思ったら。
(えっっ辞めてたん?!)
なんかさー
自分の好きなことも何もできずに仕事だけしてて、何やってんだろ、と思ってさ
昔、こんな大人にはなりたくない、って思った「死んだ魚みたいな目をして電車に乗ってる大人たち」と同じじゃん、と思って
(先に一言いってよ…)
生活費はどうするつもり?
とりあえずバイトとかしながら、どうにかするわ
自分の夢から遠ざかってる気がするし、繋がることをやりたい
ふーん。(そんな簡単な話じゃないと思うけどね…)
案の定、仕事は辞めた、とのこと。
Wanの良いところは、行動力があるところ。ところが、一歩間違えれば、勢いで行動してしまうという事。
嫌なことを我慢して、辛い思いを重ねてまで働いてほしいとは思っていません。でも、多少嫌でも我慢してやらないといけないことはあるよね?と思ってしまうのも事実。
仕事を辞めたことは責めたりしませんでしたが、好きなことだけやって生きていけるだけの実力があるの?と疑いの目を向けてしまいました。
しかもこの後、さらに衝撃の告白があり…
長くなってしまうので次回。
なぜそうなるの?
大人の発達障害の特徴がある人は、起業する人が多い、という話を耳にしました。
まさにそのパターンだな…と感心。
ただ、本人の「辛い」の程度はわかりませんし、外野が「わがままだ」と決めつけることもできません。
そして、彼が追いかけたい夢があるのであれば、それを止める権利は私にはありません。Wanの人生に責任を取れるのは、Wan自身だけなのですから。
傍から見るとなまけていたり、わがままを言っているようにも見えましたが、精神的にダメージが大きく、動けなくなっていたのかもしれません。
細かい作業が苦手、じっとしているのが苦痛、長期的な計画で動くのが苦手。
特に日本の会社では万能型が求められがちですが、能力の凹凸が激しくマルチタスクが苦手。
そんなADHDの「カケラ」を持っているWan。
さらにWanの性格として、強要されるとやりたくなくなる、自分が正しいと思ったものは絶対正しいと引かない、というところもあります。
そんな中、反発しながら会社員として働き続けることに、限界が来てしまったのでしょう。
じゃあ、どうする?
みーの収入だけでは、二人で生きていけてもそれ以上は難しい。
夢追い人の苦労人になってしまうのは避けたいので、生活費の折半だけは継続して払うことを約束。
追い詰められてしまうのも怖いので、ひとまず様子を見ることにしました。
周りからは、「大変そう」と思われるかもしれませんが、Wanの選択は尊重したいと思っています。
Wanが頑張りたいのであれば、応援したいと思っています。
(生活費は一定額払う、という条件付きですが…)
強要されるとやりたくなくなるWanに対して、「あーしろこーしろ」とは言いません。
「こんな仕事はWanに向いてるんじゃないかと思ったよ」
「会社を辞めると、こんなデメリットがあるんだよ」
「将来こんなことで困るかもしれないけど、どうする?」
「こんなことやってみたら?」
と、それとなく情報を流していきます。(うまく誘導するのがコツ!)
そうすると、やっぱりそうだよね、と段々Wanが自分で動くようになってきます。
二人で話し合いをする中で、みーが何に対して不安を感じているか、も整理しました。
そして、その不安に対してWanがどうしていくか、どうやって協力できるか、という話し合いを重ねました。
これは、みーにとっても、漠然とした不安に飲み込まれそうな状況から救い出してくれた話し合いでした。一方に負担が偏らないよう、お互いの感情や考えをしっかり共有し尊重することが、とても大事なことだと改めて感じました。
コメント